S&P500とNASDAQ100投資するならどっち?③

③では少し変わった観点から比較をしたいと思います。NASDAQにどのような銘柄が含まれているかの再確認と、1つのリスク回避策である、NASDAQ銘柄に均等荷重で投資していた際の結果から、S&p500とNASDAQを見ていきます。Nasdaqより引用

NASDAQ100銘柄の時価総額上位銘柄変遷

初めに、20年間のNASDAQ100銘柄の時価総額上位企業を見てきます。

1999年

20年前のNasdaq-100のトップ10大企業のうち、今も残っているのは1社だけ。マイクロソフトである。20年前のNasdaq-100の上位10社のうち、現在残っているのはMicrosoftのみで、IntelとCiscoはそれぞれ11位と12位となり、トップ10からわずかに外れている。オラクルとクアルコムは引き続き市場をリードしていますが、オラクルはナスダックに上場していないため、インデックスには含まれません。デルは、非上場化、企業向け部門と消費者向け部門の分離など、複数の企業変革を行ってきました。他の企業は、企業スキャンダルによって不名誉な結末を迎えたか、何年にもわたって苦しい不始末と衰退を繰り返してきました。ドットコムバブルのバリュエーションの特異性に対する健全性をチェックするために、もう少し歴史的なスナップショットを見てみてはどうだろうか。

2004年

ドットコムバブルのピークから約5年が経過した2004年は、アップル、イーベイ、ネクステル(最終的にはスプリントと合併)がランクインする一方で、テック系以外の構成銘柄がいくつかトップ10入りした。2004年にトップ10入りしたこれらの銘柄のうち、現在トップ10に残っているのはアップルだけである。しかし、アムジェン(現在16位)は2020年7月31日までのトータルリターンで372%の上昇、スターバックス(23位)は482%の上昇と、目覚ましい業績を残しています。これらの企業は大幅に成長しており、ハイテク産業がセクターとして不調な時期には、インデックスの全体的な評価を支える傾向がありますが、単に、より新しく、さらに急速に成長している企業に取って代わられただけなのです。

2009年

ドットコムバブルのピークから10年近くが経過し、アルファベット(Google)は技術分野で最も強力な企業の1つとして台頭し、ブラックベリーは人気のピークを迎えて衰退し始め、アマゾンはオンライン書籍販売以外の事業展開を始めたばかりでした。一方、FacebookやTeslaはまだ上場しておらず、NVIDIAはこれからが本番で、NetflixはまだほとんどがDVD-by-mailビジネスで、Adobeは現在の評価額の10分の1で取引されており、PayPalはまだeBayの子会社でした。

企業や業界全体には、上昇と下降の自然な段階があります。中には複数の段階を経て、より強くなっていく企業もあれば、金融史のゴミ箱に消えていく企業もあります。ナスダック100を追う投資家は、なぜ気にする必要があるのだろうか。

上位銘柄まとめ

ここまで見てきたように、NASDAQ100に投資をしていれば、ハイテク以外にも成長している企業に自然と投資が出来るようになっています。ハイテクが落ちた際には、その他産業により多くの配分がされることが、2004年の例を見ればわかります。

このように自動的に上位銘柄が入れ替わりますが、NASDAQ100投資家はNASDAQ100内の企業を気にする必要があるのでしょうか?答えはYESです。その理由を見ていきましょう。

時価総額加重と均等荷重

通常のNASDAQ100(NDX)は時価総額加重であるため、時価総額が大きいGAFAを含む上位10社が、全体の投資配分のうち、57%もの比率を占めています。前項で見たように、これまで20年間で様々な企業の入れ替わりがあったことを考えると、少しリスキーな内容になっています。

そこで、時価総額加重ではなく、均等荷重であるNDXEをnasdaqは提案しています。この場合、上位10社が占める投資割合は10%となり、1企業1%のウェイトになります。当然、NASDAQ100に含まれる企業自体のリバランスはされます。この結果、ハイテクだけに集中せず、幅広いセクターから魅力的な企業に投資を行うことが出来ます。セクターに対する重みの変化は以下の図になります。

もちろん、NASDAQ100に投資するのはハイテクを重視しているからだという指摘についての議論もされています。

絶対的なパフォーマンスとリスク調整後のリターンの両方の観点から、大型株が今後も支配的であり続けるという合理的な期待を投資家が抱くのであれば、こうしたセールスポイントはすべて無意味なものとなります。2020年7月31日までのNDXの年間トータルリターン25.5%のうち、22.7%(90%近く)が上位10社の構成銘柄によるものでした。しかし、2020年の選挙後に新たな規制体制が生まれることや、選挙結果に関わらず反グローバリゼーション勢力が存続することを懸念するのであれば、NDXEへのアロケーションを増やすことで、2020年と2010年代の異常な利益をヘッジすることが、ナスダック100の一部の投資家には有益かもしれません。

S&P500とNASDAQ100の均等荷重の場合の比較

2つの指数に含まれる企業は異なりますが、指数内での配分重みによってもトータルリターンは変わってしまいます。ここでは、両指数とも均等荷重にした場合の比較をしていきます。指数に含まれる銘柄自体の良し悪しがわかるのではないでしょうか。

2020年において、より興味深いのはNDXEとSPW(S&P500指数の等加重)のボラティリティーの差である。歴史的にはNDXEよりも一般的に低いボラティリティを記録してきたにもかかわらず、2020年の現時点でSPWの年率換算日次ボラティリティは46.9%であるのに対し、NDXEは42.2%にとどまっています。

これは、より多くのセクターにエクスポージャーを持ち、構成銘柄数が5倍であるにもかかわらず、です。通常、分散投資によってボラティリティーは低下しますが、エネルギー、金融、素材といった経済的な影響を受けやすい低成長セクターをNasdaq-100からほぼ完全に除外したことで、NDXとNDXEはSPXやSPWと比較して優れたリスク調整結果を生み出しています。実際、今回取り上げた4つのインデックスのうち、2020年のYTDでは、トータルリターンベースで6.5%、プライスリターンベースで7.6%の損失を出しているのは、等加重のS&P500だけがマイナスを維持しています。このように、SPWを時価総額のバケット間での平均回帰に賭けるのが良いと考えていた投資家(つまり、中型株が大型株を上回るようになると期待していた)にとっても、2020年にはNDXEの方がより説得力のある選択肢を提供していることになる。

この結果は凄いですね。 NASDAQは100銘柄であるのに対し、500銘柄からなるSP500よりも分散が低く、リターンが良い結果になっています。しかも2008年からの比較ですので、それなりに長期的な観点になります。またNASDAQ100は時価総額が大きい企業への投資割合が高いので、中型銘柄への投資割合を増やす方法としても均等荷重のNDXEが効果的であることが述べられています。

まとめ

今回は指数の中身を均等荷重にするという観点から、構成銘柄の良し悪しでNASDAQ100とS&P500を比較しました。

結果としてはNASDAQ100のほうが銘柄自体は分散が少なく、リターンが良いという結果になっています。当然、QQQ(通常のNASDAQ100連動ETF)では均等荷重ではなく、時価総額加重ですので、ハイテク企業によるリスクは背負うことになります。

またNDXE(均等荷重のNASDAQ100)連動のETFは、QQEW, QQQEがあるようなので、ハイテク重視によるリスクを減らしたい方は見てみてはいかがでしょうか。

これまでNASDAQ100はハイテク重視で、ハイテクによる伸びでS&P500に勝っていると思っていましたが、

エネルギー、金融、素材といった経済的な影響を受けやすい低成長セクターをNasdaq-100からほぼ完全に除外

したことで、含まれるセクター・銘柄による優位性もあることがわかりました。

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