S&P500に積み立てする場合、いくら下がったら買い増すのが最強なのか③

前回の記事の続きになります。
前回は、
一括投資法と買い増し積み立て投資法を比較し、買い増し積み立て投資法のほうが優れているという結論になりました。
ただし、買い増し積み立て投資法のルールである、何%下がったら買うの何%の部分を最適値を用いた実験になっていて、今月は5%で買う、来月は9%で買うみたいなことを繰り返して、最適な投資を行えることが前提になっていました。当然そのようなことは後からじゃないとわかりません。
そこで今回は、何%下がったら買うの何%部分をあらかじめ固定して15年間投資をする、という方法で一括投資法と比較を行います。
具体的に言うと、3%下がったら手持ちの10%資金でSP500に投資する方法と初日一括投資する方法を15年間のパフォーマンスで比較し、さらに120の区間でそれを行って、最終判断をします。
これであれば実現可能な投資方法になります。

毎度のことですが、投資方法の確認です。

投資手法

前回と同じく主に2つになります。
1. 初期一括投資
2. X%下がったら、手持ち資金の10%買い増しする。

調査方法

調査に当たっての前提や制限を確認していきます。
主に、買い増し手法に関することです。

配当金

考慮しない。0です。

投資期間

1番目の期間を1996/06-2011/06までの15年とし、
2番目の期間を1996/07-2011/07までの15年とし,
・・・
120番目の期間を2006/6-2021/06までの15年とする、
計120の期間で評価を行います。
絵で言うと、下図のオレンジ色あたりから投資を開始することになります。
ちょうどITバブル・崩壊を跨ぎますね。

投資方法

各日付の終値をその日のS&P500の価格として、1日単位で投資するしないを決定していきます。
購入判断は、投資を開始する日付or前回購入した日付から現在までの最高値と現在地を比較して行います。
30%程度下落した場合に買う場合は、以下のような流れになります。
①~②の期間は価格上昇しているため買う日付はない。
③の時点で②最高価格と比較して30%下落したため購入する。
最高価格をリセットし、④地点で最高価格となり、⑤で2回目の購入を行う。

今回何%下がったら買うかの部分は、
0.05%~1%までは、0.05%刻み、
1%~14.75%までは、0.25%刻みで調べます。

手数料

実際の米国株売買手数料を調べたうえで、
手数料は20ドルを上限とし、購入価格の0.5%とします。

購入資金

まず、スタート地点では1万ドル持っているとします。
さらに、何%下がったら買うかというのとともに、手持ち資金のうちどれくらいを購入資金とするかというのも大きなパラメータですが、今回は10%で決め打ちにしました。
なので、毎回手持ち資金の10%を購入して、手数料を引いた分が、毎回得られる株式になります。
今回は積み立てのみですので、後になればなるほど購入できる株数は減っていきます。

結果は如何に

早速結果を見ていきましょう。

買い増し積み立て投資法の最強のパーセントは?

まず、何%下がったら買うのが、一番成績が良かったのでしょうか?
結果は以下のようになりました。

買い増し%120期間の最終日平均資産
0.0520048
0.120040
0.1520037
0.220034
0.2520027
0.320022
0.3520012

早く買えってことですね。

では、一括投資法の場合の120期間の最終日平均資産はいくらかというと、

20229

です。ということは、120期間の平均値としては、買い増し積み立て投資法では、一括投資法に勝てないことがわかりました。

泣いている女性のイラスト

各期間ごとに勝敗を決める

まだあきらめません。

120期間のうち、1つ1つの期間で買い増し積み立て投資法と一括投資法の勝利数を比べてみると、以下のようになります。

買い増し%120期間中の勝利数
9.561
8.2559
8.559
11.559
11.7559
8.058
8.7558

こちらの比較方法だと、上記方法とは違い、10%前後下がったら買うことがおすすめされていますね。

しかも、61対59で僅かながら一括投資に勝利している方法があります!

9.5%下がったら買い増し積み立て投資法 なら期間ごとに勝敗を決めると、一括投資に勝てることがわかりました。

まとめ

誰が作ったのかわかりませんが、S&P500の値動きはよくできていますね。
なかなかうまい投資法がないように、誰かがシミュレーションしているとしか考えられないような結果になってしましました。

あえてまとめると、
最終的な平均値を最大にしたい→一括投資
とにかく一括投資に負けたくない→9.5%下がったら買う

が最適な投資方法と言えます。

次回は、9.5%下がったら買う場合、どのような時期で一括投資法に勝っているのか、詳細に見ていきたいと思います。

今回も長文を読んでいただき、ありがとうございました!

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