前回は、nasdaq社による資料を基に、組み入れ銘柄と2007-2018のパフォーマンスから
S&P500とNASDAQ100のどちらに投資をするのが良いのかを書きました。
今回は、15年間のパフォーマンスを120の期間で取って、より詳細なパフォーマンスを見ていきたいと思います。
評価期間

1991/01/02の価格を1として、NASDAQ100とS&P500のその後の価格をグラフに表したものになります。
1996/01/01-2011/01/01を15年間の第1期間とし、1カ月ずらした
1996/02/01-2011/02/01を第2期間、
・・・
2005/12/01-2020/12/01を第120期間
とした、計120期間を用いて、パフォーマンスを調査します。
パフォーマンスは、各期間の最初に一括投資をした際の、最終日のリターンで測定します。
また、この120期間には、ITバブル崩壊・リーマンショック・コロナショックという3つの大きなイベントが含まれています。
結果
さっそく結果を見ていきましょう。
平均・分散・中央値・最大・最小
まずは基本的な値から見ていきましょう。
SP500 | NASDAQ100 | |
---|---|---|
平均 | +101% | +268% |
分散 | 0.312 | 3.39 |
中央値 | +88% | +217% |
最大 | +228% | +673% |
最小 | +25% | -2% |
各項目について良いほうの値を赤字にしています。
これを見ると明らかにNASDAQ100のほうがリターンが良いですね。
最大最小リターンの幅が大きいので、中央値で比べるほうが良いと思いますが、それでもSP500と比べて2倍以上の成績です。
NASDAQ100の最小リターンが負であることについては、ITバブル真っただ中にジャンプキャッチしてしまった場合になります。
それを避けるには、この記事に登場した手法である9.5%下がったら買い増し方法を取ればよいのではないかと思います。
別途SP500同様にシミュレーションしますが、SP500に比べ値動きが激しいのであれば、下げたら買い増し方法はよりチャンスが多いのではないかと想像します。
リターンヒストグラム
次に、まとまった統計値ではなく、実際のリターンのヒストグラムを見てみましょう。

オレンジ色がNASDAQ100, 青がSP500です。横軸がリターンですが、%ではなく実数になっています。ですので1のところが+100%, 2のところが+200%といった見方になります。
縦軸がそのリターンになる期間の数になります。SP500でいうと+50%あたりに10期間あるといった見方になります。
この図からわかるのはNASDAQ100のリターンの差がめちゃくちゃ大きいことですね。いつから始めたか、どの期間を取ったのかによって、15年という長期期間ではありますが、-2%から+700%近くまで差があります。
一方で、SP500の方はかなり安定したリターンで、+100%付近に集まっています。
爆発的な伸びはないが、暴落に強いといえます。
結局どっちがいい?
今回の結果から言うとNASDAQ100のほうが良いのではないかと思います。
ただ、この結論に至るにあたり、NASDAQ100はどの期間を取るかで15年という長い期間でもリターンが全然違うということには気を付けてください。
今回の期間でもそのような傾向は見られましたが、中央値比較でNASDAQ100のほうが、SP500と比べて2倍以上リターンが良いことから、結論としてはNASDAQ100のほうがよいという意見に至りました。
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